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誰もが幸せになる一日3時間しか働かない国 シルバーノ・アゴスティ あらすじ

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主人公は飛行機の機械トラブルでキルギシアという国に寄港しなくてはならなくなった。このキルギシアという国はどんな職でも1日で3時間以上が働く人はいませんでした。残りの21時間は自由な時間でした。しかし給料はしっかり出るし生産力は3倍になりました。何故なら仕事をイヤイヤやって一週間かかるところを集中して1日でやってしまうのだった。この国の政治もボランティアの考えで運営されており政治的な業務についている間はそれ以前でもらっていた給料が引き継がれるため政治家だからといって特別な報酬や手当はありません。なので政治的腐敗はまったくなく、国民のために習慣や行動を改善する政策がいくつも実現されて行った。よって市民の生活は充実して父親と子供、職場の仲間、ご近所まで今までになかった関係を築くことができるようになりました。公園は毎日人が余暇を楽しんだり通勤ラッシュも1/4になりました。このユニークな実験の効果は3年後にはドラッグ、タバコ、アルコールの消費量が減り医療費も減りました。このキルギシアの国家運営は政府が二つに分かれており、一つは通常の政府でもう一つは構造を改善するための政府でありました。そういう国があるのか!とたまたま寄ったこの国に主人公は大変びっくりしました。次の日、環境改善大臣に今日は学校を見せてくださいと言いました。すると公園に連れて行かれました。子供達は公園で1日中遊んでいました。私は大臣に聞きました。一日中遊んでいるだったらいつ勉強するのですか?大臣は微笑んで、勉強するのではなく学ぶのです。と言い、子供に3543×68は?と聞くと子供は元気いっぱいに240924と答えました。ある少女には英語が話せますか?と聞くと私は5カ国語を話せます。と言いました。というのも各年齢の好きな映画が10の違う言語で上映されていて、自然と多言語が身についていました。大臣は勉強というのは義務的だし教養として根を下ろすことはありません。すぐに忘れてしまいます。勉強は無理に覚えさせようとするために興味や欲求から遠ざけてしまいます。一方、学んだものは知りたいという気持ちが先にあるので身につけた知識を生成して実を結びます。公園の周りに建物があり、それぞれ”哲学の家”地理の家”体の家””言葉の家”動物の家””音楽の家”など知りたい内容によって分けられていました。宿題やテストもなければ入学、卒業というシステムもありません。子供たちは自然といろんな家を訪れることによって学んでいきます。自由な環境にいればのびのび育つ。何かに縛られていては縮こまってしまいます。キルギシアは何よりも人間がのびのびと生きることができる場所でここではあらゆる社会的束縛を解放しようと努力しています。生きるということは誰にとってもたった一度きりのチャンスだからこそ社会というのは日々をおろそかにするものではない、豊かにするものでないといけません。それをみんな分かっているのです。

ある時黄色い服を着た人がいました。大臣にあの人はどうして黄色い服を着ているのですか?と聞くと、あの人は泥棒をしたのです。本来なら牢屋に入れられるはずですが、彼らは刑期を黄色い服を着て過ごすのです。罪を自覚することが唯一の罪なんだ、と考えています。食事も食堂に行けば十分食べることができました。

次は老人にキルギシアでの生活を聞きました。すると老人は「幼い頃は時間も空間も果てしないように思えました。老人になったら今も同じ感じでいます。」と言いました。中には病気を患っている人もいます。老人はそういう人を訪れては少しでも快方に向かうように助け合います。それもあって、かつてはたくさんの病院がありましたけど今は町に一つずつしかありません。のびのび暮らしていれば人は病気になりにくいのです。大通りに楽器隊が人を取り囲んで音楽を演奏していました。楽器隊は落ち込んでいる人を励ましているのでした。人生の素晴らしい光景があちらこちらで見られました。

主人公は気づきました。たくさんの人が胸に小さな花を身につけていました。それは誰かと愛し合いたいのを知らせるための目印でした。そうすることで話しかけるきっかけを作るのに役立つためでした。かつては性欲やポルノが社会の問題でしたので自らがサインを示すことで偽善、ポルノ、神秘主義とかは姿を消しました。

町の至る所に箒と塵取りが設置されていて、誰でも気づけば自ら手に取って掃除をするのでした。

皆さんは、俄かにこのキルギシアの社会についてユートピアのようだと信じがたいと思われるが、一昔前はヘリコプターや飛行機、白い布に動く絵を写す映画というものや、一瞬で物を温められる電子レンジなど想像もできなかったでしょう。しかもキルギシアでは総理大臣と面会するのも簡単なのです。キルギシアは憲法は1条しかありません。それは「何を発起するにあたっても国家及び国民の関心はすべからく人間らしくあることに向かうべきである」すれ違う全てのキルギシア人は人間や社会のメカニズムがどうすれば機能するか要点を簡潔に答えることができました。それは

人の体をきちんと働かせるにはきちんと眠るようにする
ぐっすり眠ったならちゃんと働くようにする
自分の糧になるようなことを毎日ちゃんと学ぶようにする
ちゃんと与えるようにする
ちゃんと創るようにする
ちゃんと愛すること
ちゃんと愛し合うこと

最後に本質的なことは、あらゆる物事はそれを覆っている不思議なベールがある。そのことをちゃんと意識することです。これらが満たされれば安定した穏やかな毎日がおくれます。キルギシア人は人生は一度しかないというのを自覚しています。誰しもが自分のことを自然が生み出した傑作だと考えているし、仲間のことも同様です。人間は見て聞いて動いて考えて夢見て何かを欲し何かを創るものなのです。キルギシアには警察もいなければ軍隊も社会から姿を消しました。誰かが過ちを犯さないように見守る人はいます。
穏やかさが全てに染み渡っていました。ギリシア人は言いました。あなた達の言うような幸せここには何ないかもしれません。でも僕たちの選んだ道は間違っていないと思うのです。今では誰もが満たされた人生を送ることができます。働く時間が少なくなったために自分の生活に時間を費やすことができます。そのため、より多くのものをよりよく生み出せる。そのことに早く気づきました。今までみんな何かについて、やらなきゃいけない事に追われていたのです。来る日も来る日も自分のための時間がわずかしかなく、そのせいで自分自身を過小評価することで生じる他人への敵意、多くの人がうつ病や絶望感に苛まれていました。
キルギシアでは車に乗るとき席が一つでも開いていると旗を出して目印にして、手を挙げた人を乗せるシステムでした。みんなの調和があるからこそ物事がシンプルになっているのがわかりました。キルギシアの研究グループは人が成熟していく本来の過程を発表しました。

女性:女の子→女性→人間
男性:男の子→男性→人間

しかし現代社会では

女性:女の子→半人前の女性→妻→永続的に母親
男性:男の子→半人前の男性  →夫→永続的に仕事

ついに主人公は国に帰る日が来ました。頭の中にはカオスと化した交通渋滞、ナメクジのように学校への道のりを這うように歩く生徒、特権を貪り能面のようになった政治家、老人は雀の涙ほどの年金を食いつぶさないように気を使いながら生きていく、血色が良くでっぷりとした金持ち、色々思い巡らして憂鬱になりました。主人公は残りの人生をこの心おだやかな人たちに囲まれて暮らしたいと思いました。

まとめ

本書はわずか120ページで人間が人間らしく生きていける理想の社会を描いています。読み終わると皆必ず、ユートピアへ旅した気分になります。

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