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鈍感力 渡辺淳一 あらすじ

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初めに

鈍感という響きが「鈍い」「動きが遅い」など負のイメージだが現代社会を生きていく上で敏感さが求められるが、そればっかりだと体も心も疲れきってしまう。人生は長いし、苦しいこと、辛いこと、失敗することなど色々あるのでそんな時に鈍感力という能力を身につけて、したたかに世の中を渡っていく必要が出てきました。

鈍感力を身につける第一は、おおらかな母に育ててもらうことです。こと細かく口出しする母からはおおらかな子供は育ちません。何かあるごとに子供を褒めることが望ましいです。もちろん悪いことをした時はしっかりと叱る必要があります。

エピソード

会社で二人の社員が上司に叱られていました。たまたま上司の機嫌が悪く、厳しめに叱られました。次の日一人の社員は何事もなかったように出社しました。もう一人の社員は「俺はだめだ。どうしよう」と一人悩み続けて会社を休んでしまいました。2日休み3日休みでそのうち会社を辞めてしまうかもしれません。この二人を比べた時、圧倒的に強くて頼りがいがあるのは前者です。何があってもたくましく生き抜き、将来会社の幹部になるかもしれません。いくら才能があり自尊心が強くてもプライドが高く立ち直りが容易でなかったりするとチャンスを逃してしまうかもしれません。人間が成功するかしないかは必ずしも才能だけではないということです。それぞれの世界でそれなりの成功を収めた人々は才能はもちろんいい意味での鈍感力を持っています。鈍感力は本来の才能を育み花咲かせる最大の力です。

著者が札幌の大学病院に勤めていた時に手術を執刀している教授に小言をいつも言われる先輩がいました。その先輩医師は小言を言われながらも聞き流していたおかげで教授の間近で手術を見れて要点を覚えて手術の名医になりました。

健康への影響は

人間は健康であるためには血流が良くなければなりません。問題は血管と神経の関係ですが、血管は神経によってコントロールされています。一般に自律神経と言われるもので交感神経と副交感神経があり両者は相反するように働きます。交感神経はイライラ、緊張の時は血管を狭め、副交感神経はリラックスした時に血管を広げ血圧を下げます。この働きを見ても血管を広げてスムーズに血流を良くするにはリラックスした状態が良いと分かります。
自律神経に負担をかけないように鈍感力を持っていつも血管を開いて血流を良くした方が健康的です。

各々の効果

人間の五感も敏感すぎると器官を消耗して長生きできません。視覚は物が見え過ぎると疲れます。聴覚は聞こえすぎるとイライラして精神に支障をきたします。嗅覚も敏感すぎると香水の匂いも分かって浮気も、知らなければ平穏無事なのにパートナーと不穏な関係になったりします。味覚は鋭すぎても影響は少ないです。触覚は敏感すぎるとアレルギーや敏感肌など影響は大きいです。関節や筋肉も敏感だと気象の影響で痛くなったりして苦痛になります。以上から一概に敏感が必ずしも良いとは限らないことが分かります。

色々考える性格の人に共通するのは睡眠力が弱い傾向です。睡眠は1日の疲れを癒し体力を回復する、精神の休息にもなります。

鈍感力を養うには相手の褒め言葉に簡単に調子に乗ったり図に乗ったりするといいです。はしたないと考えるより前向きな考え方が未来に向かって羽ばたける才能が開花するかもしれません。

賞味期限にあまり神経質にならずに少し汚いものを食べた方が腸内雑菌が増えて抵抗力がついて強い体になります。

女性を口説くのにも鈍感力は威力を発揮します。焦らずゆっくり口説く。この忍耐力の原動力は鈍感力です。女性の「ダメ」という返事も、いきなりはダメという意味かもしれません。それをまともに受け取って本当にダメだと思って諦めるより、粘り強くチャレンジした暁には口説き落とせるかもしれません。2度3度断られてもチャレンジする精神力、鈍感力がモノを言います。

女性と食事の場合もなんでもモリモリ食べる男性の方が一般的に好感が持てます。

部屋に招かれてもリモコンの位置に神経質だったりすると女性を萎縮させてしまいます。

男らしさをアピールするのにも鈍感力は大事です。

結婚生活を維持していくのも長い長い忍耐が必要なので少々のことで喧嘩せずに鈍感力は必要です。

著者の医療の経験上、癌にかかってしまった患者さんで「頑張って治って見せる」と意欲のある人は治癒率は高く、「もうだめだ」と落ち込む患者は抵抗力も落ちて治る率は低いです。気持ち次第で癌の運命も変わるようです、と著者は実感されています。

嫉妬や皮肉に感謝する鈍感力

不当な嫌がらせに抗して、いかに自分らしく堂々と生き抜くか。ここで重要になってくるのが容易なことでへこたれない鈍感力です。自分が嫉妬や中傷されていると知った時、まず誰がどのような理由からそういうことをしているのか、このことが一番気がかりです。この点について調べても無駄だと思っている人もいるようですが、少し本気に調べれば意外に簡単にわかるものです。そこで問題はこの分かった後の対応ですが、多くの人はカッとなって相手を怨みます。さらには相手がいっている以上の悪口を触れ回り、互いにエスカレートして自ら傷つくことも少なくありません。でも早まってはいけません。ここで大切なのはまず相手を無視することです。大体嫉妬や中傷をする場合、する方はされる方より状況が悪い人の方が多いです。例えば会社で嫉妬されるのは仕事ができて上に行き過ぎた人で、嫉妬するのは下に留まっている人です。他でも妬まれるのは一般に幸せな方で、妬むのはもてなくて屈折している方です。こう考えたら中傷も嫉妬もさほど気にならなくなります。なぜなら嫉妬されるのはその人自身が優れているからで、相手はそれが羨ましくて嫉妬しているのです。「ごめんね、俺ができすぎているので、君をイライラさせて。君が妬む気持ちはよくわかるし大変だと思うけどほどほどにしてね」こう言えるようになるともう大丈夫です。相手を怨むどころかむしろ逆に嫉妬してくれた人に感謝しなければなりません。改めて記しますが、嫉妬する人はされる人以上に辛くて哀しいのです。こう考えると嫉妬される人は嫉妬している人にお礼を言ってもいいぐらいかもしれません。「ありがとう。いつも嫉妬してくれて。おかげで俺はますます頑張るから、今後ともよろしく嫉妬を続けてね」と。この一言でわかるように物は考えようです。何事も柔軟に前向きに考えるべきです。そしてこの原動力になるのが鈍感力です。多少嫌なことを言われてもピリピリせず、どうして相手がそういうことをするのかのんびりゆっくり考えて相手の気持ちを察してやる。この広い心の鈍さこそ生きていく上での大きな力となっていくのです。

鈍感力 渡辺淳一 p177,178,179,180

まとめ

人間は自分一人では生きていけません。人と関わりを持っていくことは必須です。そのためには様々な外界の変化に対応し、馴染み、強調していくことが大事です。例えば地方に転勤になったり自分の生まれ育った土地だけでなく別の町に移っても文化や風習にすぐに溶け込んで生活していく能力は必要です。さらに外国へ行って人種や文化が違っても明るく元気に生きていくことは素敵でたくましいです。
これから世界に羽ばたき新しい時代を切り開いていこうと思う人は鈍感力を鍛えて何事も好奇心を抱いてやっていくことが人間を成熟させます。

著者 渡辺淳一 1933年北海道生まれ 札幌医科大卒 医療傍ら小説を執筆

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