広告

学問のすすめ 福沢諭吉 あらすじ、要約

この記事は約8分で読めます。

はじめに

近代日本最大の啓蒙思想家福沢諭吉の大ベストセラー。読めば時代情勢を的確に見極め、今すべきことを客観的に判断する力がつきます。一般の人が心得ておくべき事柄をあげて「学問とは何か」を示したものです。

学問には目的がある

我々の生きている社会は賢い人、愚かな人、様々な人がいます。この違いは学ぶか学ばないかによってできるものです。人は生まれた時には貧富の区別はありませんが学問をして物事をよく知っている人は社会的地位が高く、学ばない人は地位の低い人となる。ここでの学問は普通の生活に役立つ実学のことです。知識として蓄えてるだけでは何の意味もないです。

自由とわがままの境目は他人の害となることをするかしないかです。

人の才能や人間性や社会的役割によってその位が決まる。政府の官僚は個人が尊いのでなく扱っている国の法律が尊いのです。政府に不平があればそれに対する抗議の手段をきちんと取って筋を通して議論をすべきです。

人にはそれぞれ才能や社会的役割がある。才能や人間性を身につけるには学問を学ばなければなりません。

ひどい政府は愚かな民が作る。国民が皆学問を志して物事の筋道を知って文明を身につけるようになれば法律もまた寛容になっていくでしょう。法律が厳しかったり寛容だったりするのはただ国民に徳があるかないかによって変わってきます。

本を読んでもそこから学んで実生活に活かさないと意味がないです。

人権というのは一人一人の命を重んじて財産を守り命を大切にするということです。学問がなく物の道理も知らず食って寝るしか芸がない人間がいる。無学のくせに欲が深くて人を騙して法律逃れをし自分の仕事の責任を果たさず子供は産むけど教育をするやり方も知らない。その子孫が繁栄すると国の利益にならず害をもたらす。

自分の身を自分で支配して物事の正しい正しくないを判断して間違いのない対応ができるのは他人の知恵に頼らず独立をしているといえる。

一国の文明を発展させるにはただ政府の力のみに頼ってはならない。事をなすにあたっては命令するより諭した方がよく、諭すよりも自ら実際の手本を見せる方が良い。

明治時代の国民は無気力でその原因は長い間全国の権力を政府が握って軍備、学問、工業、商売まで政府が関わっているので人民は政府の言うがままだった。人民の気概は日に日に退歩している。人民は「政府は力もあるし知恵もある。我々の及ぶところでない」人民は自国の政府に対して萎縮して恐れている。

悪党がいても自分で勝手に犯罪者を殺し、あるいは捕まえて鞭打ったりしてはいけない。罪人を罰するのは政府に限って許された特権なのです。
政府は国民代表なのだから政府のすることは国民のすることであって国民は必ず政府の法に従わなければならない。国民と政府の約束である。国民が政府に従うのは政府が作った法に従うのでなく、自分たちが作った法に従うのである。国民が法を破るのは自分たちが作った法を破ることなのだ。よって仇討ちは間違っているので忠臣蔵は間違っています。もし仇討ちを許していたらまた仇討ちして終わりがない。いわゆる無法の世の中になる。「私裁」が国を害する。こういうことはやってはいけないことです。「私裁」で最も極端なのは暗殺である。自分の見解で他人の罪を決め自ら天誅を行うような天に代わって罪を加えるつもりなら自分の立場を考えるべきだ。国を害するものがいれば政府に訴えるべきです。性質は律儀でも物事の道理をわきまえるべきです。
暗殺で社会を幸福にした例などない。

法の抜け穴をついて罪を逃れるのは最も恐るべき悪習です。国法を軽蔑している。

こっそり立ち小便して見つかっても法を犯している意識がない。実に嘆かわしい。

人民は政府が決めた法がおかしいと思えば遠慮なく訴えるべきです。その法がある限りは勝手に判断せず守らなければならない。

一国の人民は法を重んじて人間は平等であることを忘れてはならないです。自分の権利を侵害されるのが嫌なら他人の権利を侵害してはならない。よって他人のものを盗んで自分のものにしてはいけない。人を殺してはいけない。中傷してはいけない。

政府は市民から選ばれた人たちなので人民の代理として仕事をしているので公務なのです。人民の委任を受けてその約束で国中の人を差別なく法を正しくし、一点の不正もさし挟んではいけない。もし政府が不正を働いたなら必ず償わなくてはならない。人民は国の本家本元なので国を守るために税金は払うべきです。それで警察や役所が機能して生活しやすくなっているのです。人民を政府がうまくいっているときはいいが政府が逸脱して暴政をした時は以下の三つをするべきです。
1.政府に従うのはだめです。放棄したことになります。
2.政府に敵対するのはだめです。内乱になります。3.正義を守ることです。そのうち同情して改心してくれるはずです。

自殺は美しいようだけど何の役にも立ってません。役目を果たすことで社会の繁栄になるのです。

法を犯すことなく体、知恵、欲、良心、意志の力を使うこと。これが人間の権利です。

男尊女卑の不合理があります。というのも男も女も平等なのに男は力が強く女は弱い。街で人の物を力ずくで奪うと罰せられるが、家庭で夫が浮気をしてもこれに従うしかない。浮気で離婚しても男にとっては好都合なので不公平である。

世の中に生まれる割合は男が多く女は少ない。これはヨーロッパの研究結果です。よって一人の男が2.3人の女性を娶るのは天の道理に背きます。例え住居が大きくても綺麗でも妻と妾が同じ家にいては人類の家でなく家畜小屋である。

親孝行は自然の誠実さですべきです。

学問の趣旨

人として自分で衣食住を得るのは難しくないので褒めるほどではない。蟻でさえ冬の日に備えて食材を蓄えているので蟻レベルで満足している人は残念です。自分の心身の働きを使って目的を達せないのは虫けら同然のバカです。

文明とは世の中の過去の人が一体となって今の世界中の人に残してくれた遺産なのでその大きく広いことは土地や財産と比べ物にならないです。

我々の仕事は今日この世の中にいて我々の生きた証を残して永く後世の子孫に伝えることにあります。

日本の中で衣食住を自分で賄っているだけでは「内の義務」というだけで、なお一歩進んで外国と競う「外での義務」を果たしてこそ学問の目的です。

文章にすれば大して意味がないものでも演説をすれば人の心を動かすし、̪詩歌の形にすると趣が出て多くの人を感動させる。考えることを多くの人にスムーズに伝えるかどうかはその方法に大いに関係している。

学問はただ読書するだけのものではない。重要なのはそれを実際に生かすことである。実際に行かせないのは学問でない。観察し推理し読み書きし議論し演説して学問をやっている人です。これを実行できている人が少なすぎる。

人間の見識、品格を高めるには物事の様子を比較して上を目指し、決して自己満足しないようにすることです。

インドは文化国、トルコは武勇の大国でこの国が遅れをとった理由は他国と比較して優劣なしと判断を誤った。それぞれの人民の視野が国内だけにしか向いていなかった。きちんと努力しなかったからです。

人間社会において最大の害は妬み恨みです。よくばり、ケチ、誹謗、贅沢は本質は悪くない。多くの悪徳は妬み恨みの結果です。妬み恨みは地位の高さ低さに関係ない。原因を知ってそれが自分の責任であることを理解すれば他人を恨むことはない。

無知無学は社会の害です。

日本は無知無学でイギリスアメリカはまだ粗野で乱暴なところもあるが学んでいる。

人づきあいをして物事に触れるようにするとお互いの気持ちが通じ合って妬み恨みの念は消える。

物事を行うとついつい悪事をなし、愚かなことをし、大抵計画した時間より多く時間がかかる。これを防ぐには時々自分を見つめ直すことです。

「世話」は二つの意味が一致してこそ有効である。一つは「保護」で傍で見守ってその人の利益や面目を失わないように見ること。もう一つは「命令」でその人に心から忠告すること。政治に当てはめると税金を納めているのに政府は国民の声を聞かないのは困ったことです。

信じることは偽りが多く、疑うことには真理が多い。人を文明の世界に導くのは習慣を疑うことから始まる。信じる、疑うの判断力は学問によって得られる。多くの本を読み先入観を持たずに接し真実のありかを求めれば信じていたものも疑わしくなり、今日の疑問は明日氷解するでしょう。

物に支配されず金の使い方を工夫しましょう。金に振り回されてはいけません。

有言実行が大事である。言うだけで実行しないのはバランスが悪い。他人の働きに口を出すなら試しに自分をその立場に立ってみればいい。そしてその立場の難しさを考えなさい。

人望はその人の活発な知性の働きと正直な心という徳をもって次第に獲得していくものです。

人の知性や人間性は花咲く樹のようなもので、栄誉や人望は咲いた花である。

言葉をを伝える演説会は演説者と聴衆の両方に利益になる。今の日本人はすぐ横文字を使う。もっと日本語を上手に使いこなしなさい。

人の表情は家の玄関のようなものです。見た目が快活なのは人間の徳の一つです。玄関に骸骨と棺桶を置いては誰も寄り付かないです。

関心を持って、ひとところに偏らず多方面の人と交際を広げなさい。人間のくせに人間嫌いは良くないです。

まとめ

学問は空理空論で止めるのでなく社会に役立つものでなくては意味がないです。諭吉はこの時、既にインプットだけでなくアウトプットの大事さを説いていました。また孔子にも異議を唱え、言いたい放題が痛快です。今読んでも筋が通っていて時代に色褪せません。ざっくりして、ユーモアがあって、まっすぐな諭吉の性格が分かります。様々な関心を持ち知見を広めて社会全体を良くしていきましょう。暗い道を照らしてくれる懐中電灯的な役割が学問であることがわかります。

著者 福沢諭吉

広告
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。
タイトルとURLをコピーしました