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日本の哲学者とお茶を飲む 白取春彦 あらすじ、要約

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はじめに

本書は日本の歴史上の哲学者、思想家たち8人を特徴を捉えて彼らの思想や考え方を紹介しています。

西田幾多郎

善を見出した人生哲学者 

西洋は形あるものを求めます。東洋は形なきものの形を見る。そこに興味が湧いた。禅を修行することによって濁っていた心が豊かになった。多くの人は自他という観点で物事を見ている。幼い子供が無邪気に生きているような状態を善だと考えている。素直に、まっすぐ、自分のまま。
禅では自他の区別がなくなり、見えているものと見ている自分が溶け合う、これが善の感覚であり生の喜びです。

三木清

不自由な時代に自由に生きようとした思想家

昔は成功というのは今ほどの価値がある観念ではなく、倫理上の最上のものは幸福です。

進歩、成功は直線的な向上を意味し、上に進むほど質が高い。一方、幸福は直線的に向上していかない。幸福は単に幸福。上の幸福、進歩した幸福というものはない。現代は何事も進んでいく。だから幸福がわからなくなり、成功することが幸福と思うようになった。幸福は他人から見えません、何に幸福を感じるかは人それぞれなので。現代人は幸福と成功を理解出来てない。なので金満家ならなんでも手に入れる事ができるから幸福だと考えてしまう。よって金銭を求める。それが幸福だと誤解しています。

多くの人は感情や意見、考え方を同じにして安心する。そんな皆んなが手に入れたがっている成功も空っぽです。その点幸福は最上の善を成します。
例えばあなたの大切な人が悲しげな顔をしていたらあなたの心も暗くなり、その人が満面の笑顔でいたらあなたの心も明るくなる。幸福とは増やしていく力があるのです。幸福であること、それだけで善なのです。普段からよい想像をしていると幸福になり、寛大になれます。幸福は人柄に沁み渡り、人格を形成します。

鈴木大拙

真人を探求

本物の宗教は増やさない。与える。自分の懐に蓄えない。
西欧文明は無は価値なきものとするが禅は有も無も同じ。有は価値ありと学校教育がなされるから皆そう考える。有、無だけで判断せず心も忘れずに。人間は物と心を兼ね備えたものです。
頭で損得だけを考えて生きないようにする。これが生き方の洗練の第一歩です。

二宮尊徳

知恵を実践にいかした改善人

論語、大学、中庸をよく読んでいました。小さい頃の貧しい経験から小さな事でも積み重ねると大きな事が出来ることを学ぶ。

最初から善も悪もないです。一つの円の中で互いに働き、関わり、この世ができています。一円のなかで融合しています。経済、道徳も一つの円の中です。人道の善悪も時によって変わります。

田中正造

自然と人間正義のために

人のために生きようなどと考えて行なってはならない。その態度はどこか自分が高みに立っています。そうではなく、その人たちの中に入ってその人たちの一人にならなければなりません。その人たちの喜び、苦しみを味わなければなりません。そうして初めて何が必要か、どう生きればいいかがわかります。

兼好法師

人生の百態を描いた随筆家

どんなに下手でも弛まぬ稽古に励む人はやがて名人に達します。名人、又は一つのことに通じている人は決して慢心してはいけません。
一つの技能や芸能に通じてきた人は常に求めるところは高いものです。ということはいつも自分がまだ低い、自分はまだ足りないと感じているわけです。こういう人だからこそ慢心も誇りも持つことができないのです。

心は空っぽで雑多なものを入れない。こうしてのみ心安らかでいられます。

道元

禅の真髄を生きた人

「身心脱落」我がなくなり、迷いがない。無であり、爽快とも言える。全てが晴ればれとします。
悟っているなら地位と金銭は欲しがりません。仏の智は世間の価値観を超えるところにあります。一心になっている事が既に仏、悟った状態なのです。凡人、聖人は関係なく一心であることが悟りであり仏道なのです。
輪廻転生は幻にすぎません。仏法では身と心を一つだとしています。到底分けて考えることなどできません。
生と死は本来的に変化はない。変化があるように見えるのは私たちが文字を使い世間の見方に慣れているからです。文字を使わずに世間の見方をせず明らかに見ることだけに徹すれば一切が一如となっていることがわかります。そのようにして日々を生きるのが禅です。修行、悟りです。これを「日々是好日」と呼びます。
仏法ではいっさいのものを空とみなします。空っぽという意味ではなく、実体ではないということです。私たちの生も、死も、春も空です。

世阿弥

大衆劇を独自の能へと高めた革命家

感動を超えた高次元での感動は「咸」(かん)です。心の働きを超えた境地で開かれる見事さです。
稽古は先人の教えについて深く考え、研究し、練習する。慢心することを捨てる。

まとめ

時空を超えて賢人たちと会話する形なので賢人の人柄を感じることができる。独自の世界観、哲学を知る事ができます。最後に親切に年表と世界の時代背景も載せてくれているのでその時代での賢者の思想がよくわかる。短くて読みやすく、堅苦しくなく題名通りの気軽な内容です。

著者 白取春彦

ベルリン自由大学文献学部で哲学、文学、宗教を学ぶ。1985年の帰国後文筆業に専念、哲学、思想、宗教についての解説書は高い評価を受けている。

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