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知的生活習慣 外山滋比古 要約、あらすじ

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はじめに

近代社会は知識中心に動いてきて、誰も疑問に思わず受け入れてきた。生活習慣の軽視で病気が多発するようになった。重要なのは生活習慣です。よい生活習慣を身につければ生まれつきの人間より優れた人間になることができます。健康的生活習慣だけでは不充分で心の生活習慣、知的生活習慣が大事です。本書は知的生活習慣の項目を解説しています。

日記をつける

古来、日記をつける習慣を持つのはエリートに多かった。知識人が日記をつける。日記をつければそういう知的生活にあやかることができるだろうと思うのは虚栄心ですが能力が向上するので悪いことではありません。
文字の使用が進むにつれて記憶力は退化すると思われる。覚えておかなくても書いたものがあれば安心できるので記憶力を退させる。文字の助けを借りれない盲人は記憶力は強い。
大学の講義はノートをとらずにじっとよく聴いていれば大事なことは頭に残る。ドイツの学生はせっせとノートはとらずじっと聴いている。
文字に頼ると記憶は弱くなる。
毎日おびただしい情報、刺激などを受けて生きている。はるかに多くのものが頭の倉庫に送り込まれる。睡眠中に忘却を進める。有用でない記憶のゴミを排出する。朝の頭の目覚めは素晴らしくなるというわけである。いかに賢く忘れるかが現代人の課題です。文字に書いてみると忘れやすいです。そう考えると日記は思い出をつけるためでなく、忘れて頭を整理する効果があることがわかります。

計画をたてる

漫然と仕事をするより今日すべき事、重要度によって処理していく計画をたてると何年も続けると絶大な成果をあげる。

月間予定表を作って実際書いてみると何にもない日が一目でわかり、うかうかしてられないと自分を励ますことができる。

忘れて頭を整理する

現代人は役に立つ忘却の存在を知らない。

よく学び、よく遊べは知られたことわざだが、現代的にはよく覚え、よく忘れろです。
頭のなかにいっぱい詰め込んだ情報を忘却して整理することは人間の精神活動にとって大事です。その働きが弱い人は知的能力が低くなります。
今の社会は情報化社会なので昔の人に比べるとはるかに多くの情報、刺激にさらされているからそれだけ忘却作用も活発にしなくてはいけないのです。昔に比べて精神的不安定を訴える人が多くなっているのも一つにこの忘却作用の不全によるものです。睡眠は脳の情報整理をしています。なので朝、目覚めた時、頭がスッキリと感じるのは頭の掃除が進んでいるからです。

忘れるための方法はお酒を飲んで酔っ払う古典的なことは健康上良くない。適度な運動や入浴が良いです。食事は血液が胃に回り頭の働きの妨げになります。

物事を考えるには余計な記憶が邪魔になります。知識が増えるほど思考しなくなります。知識が不足していると、発想が自由で個性的になる。しかし知識は必要だが無知は問題外です。

知識を得たらすぐに使わないで時間をおいて変化するのを待つ。時の力を加えることで知識は変容し昇華する。そして生産性を獲得する。そういう特化した知識は思考と対立しない。こうした知識は文化創造の源になります。

図書館の利用

物を書くには誰にも邪魔されない図書館が適しています。資本論のカールマルクスも大英博物館の図書室で原稿を書いた。しかし座りっぱなしは血流が滞るのでたまに休憩したらいい。

辞書を読む

メモをつける

生活の編集

私たちは生活を編集すべきです。スケジュールを作って予定を組む。大抵の人は雑然と生活している。放っておくと生活習慣が乱れる。生活のエディターとして整理を加えれば人生は充実したものになる。

「なぜ」「どうして」

人間の子供の勉強は繰り返し仕込まれて覚える。これはものまねである。ものまねで得られた知識は新しいものを生む力を欠いている。それを反省したくないから教養と呼んで価値をつけて実用よりも一段上のような錯覚を植え付けている。何の役に立つか考えないで知識を闇雲に蓄積すると学問の堕落が始まる。知識は多ければ多いほど良いという考え方が日本人の知的活力を失わせてきたのかもしれない。

わからないことに出会ったらなぜ、どうしてと自問して、すぐ調べずに何時迄も疑問としていれば自ずと独自の思考が生まれます。

仲間をつくる

専門家は山に例えると頂上であり、孤立しています。上の方ばかり見ていると麓の世界を忘れやすい。低俗を嫌って一人高い所にじっとしていると下降しているのに気づかない。一人で猛勉強してるよりみんなで学問談議をしている方が良い結果になる。最近の若者は付き合いが悪く一人帰っていまう。そういう人は談論風発(盛んに語り論ずること)を経験しないで一生を終える。

横になる

机の上で思いつかなかったことが散歩中にものを考えるといい考えが浮かぶ。散歩より朝、目覚めた時に考えると思考にとって生産的です。朝の頭がいいのは横になってると心臓と脳が同じ高さなので脳への血流が苦労しなくてすむのも理由の一つかもしれない。

脚力をつける

著者は夜散歩してるとパトカーがパトロールしていて自分はやましいことがないのに物陰に隠れたが、ひよっこり道にでるとライトを消したパトカーが目の前にいた。それから朝歩くことにした。わざわざ定期券を買って電車で移動して皇居の周りをあるいた。お金をかけてるから歩くモチベーションを高める著者の面白いエピソードです。

声をだす

運動することは体に良いことは皆んなが知っていることだが、声をだす事も体に良いことを知っている人はすくない。

異業種と会話する事も体に良い。食事をしながらの会話は山海の珍味に勝る。しかし誤嚥に注意。

人の言うことを聞く

優秀な聞き手は優秀な話し手を育てます。テーブルを囲んで質問や感想を述べる。こういうことを繰り返すことはお互いの聡明さを高めます。聡は耳の賢さで目の賢さよりも上だと考えれるようになれば日本人はより向上する。

朝、体を動かす

仕事は食前

頭の働きにとって空腹は最高の状態です。激しく運動した後も食前に劣らず知的活動に最適です。夕食後の頭は一日のうちで最低の状態です。徹夜勉強などは愚の骨頂です。朝は金、昼と夕方の食前は銀、夜の食後は鉄、さらに遅くなれば石になる。石の時間に頭を使えば石頭になる。

風邪は万病のもと

たまに風邪をひくと体の事を考えて気を使う。病気もせずにいるとそういう人に限って大病を患う。風邪も適度に引いた方が健康的です。

生活を大事にする

人間は知識のために生きるのではない。よりよく生きるためにある程度の知識が必要なのである。知識尊重の考えに取りつかれていると人はそのことを忘れる。生きるために知る必要があることを無視して知るために生きるのが良いというおかしな考えに取りつかれ、それが死に至る病になることも知らない。人間は辞書として価値があるのでなく、生きているから価値がある。

コンピュータは人間より不眠不休で働く。しかし生活にかけては人間は全てのものより優れている。それをないがしろにして機械でもできる仕事のみの為に生きるのは少なくとも現代において賢明とは言えない。

人間的価値は生活から生まれるという考えが否定されている。生活を破壊するようなことも仕事のためなら美しいことのような錯覚をしている。知識そのものは無力で生活の中で使用してはじめて力を出す。学校教育だけだと知識の為の知識になってしまう。イギリスは生活、スポーツが勉強に劣らず重視されていて知識偏重をさける教育がされている。

自分の生活を知的にする。そして知的なものを生活化する。さらに知と生活を融合すると人間としての価値は大きく高まる。

俳句、川柳

俳句は農耕社会で栄える。自然を友とする花鳥風月に向かって思い出を述べようとする。川柳は都市の詩である。教養のある武家、町人が洒落た言葉ユーモアとアイロニーなどによって人間と社会を描出した。日本人の知性を示すのに川柳は適している。わかりにくい禅が欧米から受けているなら川柳はもっと影響力はある。高齢者の頭の体操として川柳は極めて有効です。

散文(定形や韻律を持たない普通の文章)を書く

ものを考えるにも文学的、情緒的な言葉より散文的な言葉の方が優れています。知的であることは散文的である。

手紙を書く

万年筆にこだわる

ぺんはもともと横文字を書くためにつくられている。横文字の基本は縦線です。ぺんは真ん中に裂け目があって縦線を書くとき、そこが開く。日本語のように縦書きするにはぺんは適していない。

まとめ

著者の一番のベストセラー「思考の整理学」に比べると本書は著者のリラックスした生活に基づいた気楽に読める内容です。難しく考えず、知らなかった事に気づき、人生を楽しく過ごすことが知的生活習慣なのだとわかります。

著者 外山滋比古

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