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脳の専門医が教える脳が若返る40代からの食事術 熊谷頼佳 

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はじめに

最新医学では認知症は脳の糖尿病であることがわかってました。今まで原因がわからなかった認知症ですが、認知症は予防できると脳神経外科医で20年以上認知症治療に携わってきた著者は主張します。

根拠は認知症患者に糖尿病のある人がとても多いこと、便秘が臭い人が多く食習慣が悪い人が認知症患者に多いこと、糖尿病の治療次第で認知機能が悪化したり改善したりすることです。

重度の認知症患者が生活習慣や食事を改善することで元気に退院できた例が珍しくないのです。

本書は脳の栄養障害が認知症を発症する可能性とその対処法、どんな食材を食べたりすれば良いのかがわかりやすく書いてあり誰でも簡単に実践できます。予防法が今回明らかになったので早いうちから予防に務めることが重要です。

脳の健康を保つには腸内環境改善が重要

認知症で寝たきりになった人には便秘の人がとても多く便の臭いが強いのも認知症医療の現場ではよく知られていることです。最新の研究で悪玉菌が産生する毒素がアルツハイマーの発症に関わっているという報告があります。腸と脳が互いに影響し合う腸脳相関があることがわかっています。

老化、認知症予防の近道は腸内環境の改善です。

うつ病や統合失調症は脳の病気であることが分かっています。そしてその原因に腸内細菌が関係していることも数多くの研究で明らかになってきています。うつ病は脳内のセロトニン不足が一因で、セロトニンはもともと腸の神経伝達物質なのです。腸内細菌は、脳内でのセロトニンの合成をサポートしています。

腸が老化することによって最も影響を受けるのが脳です。腸内細菌がタンパク質を分解して作り出すアミノ酸はセロトニンだけでなく、脳の神経物質全般と脳の神経細胞の原料になります。そして腸の中の乳酸菌はビタミンB群を中心に作り出しています。

腸内細菌が食物繊維やオリゴ糖を分解した時に作り出す短鎖脂肪酸が減ると、血糖値を下げるインシュリンの分泌を減少します。すると高血糖になります。ということは腸内環境の悪化によって高血糖、糖尿病が引き起こす可能性があります。

銀杏に含まれる酪酸は脳の認知機能改善や血液脳関門の回復を働きかけます。酪酸は短鎖脂肪酸の一種で酪酸産生菌という腸内細菌が作り出す物質でもあります。血液脳関門は脳のバリア機能でこれを健康に保つには腸内環境はとても重要です。銀杏や食物繊維以外に酪酸は発酵バター、ナチュラルチーズ、乳製品に多く含まれています。しかし乳製品の摂りすぎはカロリー過多に注意です。

日本人の腸内細菌は海藻と相性がいいです。

著者は認知症は細菌感染も原因の可能性があると考えています。認知症に関わる原因菌が口から体内に侵入して通常は腸内細菌で排除されるのが、ひとたび腸内環境が乱れると腸から血管内に入ってやがて脳に侵入し認知症を発症させるのではと疑っています。

認知症の発症に炎症も関係しています。主な炎症は花粉症、過敏性腸症候群、関節リウマチ、慢性関節炎、喘息、アトピー、内臓脂肪型肥満、歯周病など炎症が
慢性化すると脳にも影響が避けられないです。

酪酸にも善玉と悪玉がいます。歯周病菌が出す酪酸はアルツハイマーの原因になる悪玉の酪酸です。さらに歯周病菌による炎症物質はインシュリンの働きを悪くし、糖尿病を引き起こす可能性があります。

腸内環境を整えるのに乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が生きたまま腸まで届いたとしても悪玉菌が優勢の環境では定着せず死んでしまって意味がないのでまずは悪玉菌を殺して場所を開ける必要があります。それにはわさび、生姜、マッシュルームで悪玉菌を殺菌します。それから発酵食品で腸内を酸性に整えるのに納豆、味噌、キムチなどを食べてから乳酸菌やビフィズス菌をとります。

脳と腸のためになる食べ物、食べ方

最近流行の糖質制限は脳の健康にはよくないです。勿論糖質の過剰もよくないのは明らかです。炭水化物などの糖質は一日の活動前に食べるようにします。寝る前に食べる場合は豆腐、納豆、卵、ささみ、マグロ、など消化の良いタンパク質を取るようにして食物繊維は根菜類は糖質が多いので避け、葉物野菜、海藻類で取ると良いです。

しっかり食べたはずなのにすぐまたお腹が空くのは炭水化物中心の食生活かもしれません。脳が糖に慣れて反応が鈍くなるからです。そんなに体を使っていないのに異常な空腹感、食欲が止まらないのは脳と体からのSOS信号で、すぐに糖尿病専門医を受診してほしいです。

食後の猛烈な睡魔は食後低血糖かもしれません。血糖変動の大きさは認知機能低下と関連する報告があります。血糖値スパイクは認知症のリスクになります。

よく噛むことはとてもいい効果をもたらします。脳の中の記憶を司る海馬の神経細胞が活性化します。

和食によく使う「だし」の旨みは脳に良い刺激を与えます。出汁が使われる味噌汁の味噌には大豆に含まれるレシチンが脳に良い影響を与えます。レシチンは脳神経伝達物質の材料になります。昆布だしの旨味も脳に良い刺激を与えますが、昆布にはヨウ素が含まれていて取り過ぎると甲状腺の機能にトラブルを起こしますので程々に。

海藻は水溶性食物繊維で腸内で善玉菌のエサになります。水溶性食物繊維は難消化性で腸内に長く留まり、炭水化物の糖の吸収が緩やかになり食後血糖値の急上昇が抑えられます。

ネバネバ食品のとろろ、なめこ、オクラ、納豆のムチンに含まれる多糖類は腸内細菌のエサになります。

食後血糖値の急上昇を防ぐためにベジファースト→肉類、魚類のタンパク質→ご飯の炭水化物を意識してほしいです。

便秘解消に役立つ食物繊維はレタスなどの葉物野菜よりも納豆は食物繊維が多いのです。

オリゴ糖は甘味があるのに砂糖のようにエネルギーになりにくいので血糖値が上がりにくい糖です。善玉菌のエサにもなります。白砂糖の代わりにオリゴ糖を使いましょう。

脳の神経細胞や神経伝達物質などはタンパク質が腸で消化されてできるアミノ酸からできています。中高年になったら肉や油脂もしっかり食べるようにしましょう。タンパク質不足は精神疾患発症の引き金になります。

コレステロールは脳の働きに重要です。少なければ良いわけでなく、HDL(善玉)の方が高くLDL(悪玉)が低めが理想です。

鉄は血液で酸素を運ぶのに必要です。鉄不足は脳を酸欠にします。

青魚に豊富に含まれる DHA EPA オメガ3系脂肪酸が認知機能の改善に有効です 。DHA は脳内で神経細胞同士の情報伝達をスムーズにする上に神経細胞にダメージを与える活性酸素を消したり炎症物質の産生を抑えたりと、脳の神経細胞の発達や機能維持に欠かせない栄養素で認知症予防が期待できます。

脳に必要なビタミン、ミネラル
ビタミンB1が不足すると注意力、集中力がなくなります。豚肉、玄米、胡麻に多く含まれる

ビタミンB3、B6、葉酸は不足すると神経伝達物質が減少し、不眠、集中力の低下になります。ビタミンB3はレバー、玄米、マグロに多く、ビタミンB6はサバ、かに、バナナに多く、葉酸はほうれん草、大豆、牛や豚のレバーに多く含まれる。

カルシウム、亜鉛は不足するとイライラになります。

なぜ糖が脳を壊していくのか

糖尿病の人はアルツハイマーになりやすいです。血糖値を下げるホルモンのインシュリンが深く関わっていることがわかっています。糖尿病を発症するきっかけの多くが肥満であることから太っている人がかかる病気と思われていますが、痩せている人でも糖尿病の人がいます。日本人は内臓脂肪を溜め込みやすい体質のため内臓脂肪が増えるとインシュリンの働きが悪くなり、痩せてても糖尿病になります。太っている人でも糖尿病は悪化する程痩せていきます。それはいくら食べても糖がエネルギーにならずに尿に流れてしまうので、筋肉や脂肪を分解してエネルギーにしようとするため体は痩せ細っていきます。脳もエネルギー源は糖なので糖不足になって脳神経細胞自体を構成しているアミノ酸をエネルギー源に利用してしまうために認知症が引き起こされます。

アルツハイマーの発症原因としてわかっているのはアミロイドβという悪玉物質です。通常インシュリン分解酵素によってアミロイドβは洗い流されるのですが高血糖によって血糖値を下げるためにインシュリンが大量に使われるとアミロイドβまで手が回らなくなり、認知症を発症してしまうと考えられています。

悪魔の原料「果糖ぶどう糖液糖」の正体

成分表示によく見かける果糖ぶどう糖液糖(異性化糖)はトウモロコシやさつまいも、じゃがいもといったデンプンを原料としており果物の果糖と同じ天然甘味料です。これは工業的に作られる糖で、砂糖より安く、砂糖よりも冷たいものを甘く感じさせるという特徴から安い菓子類や清涼飲料など低温のものを美味しく感じさせたい食品に砂糖の代わりに多く使われています。この果糖ブドウ糖液糖はアメリカでは使用にあたって論争が繰り広げられています。しかし日本では議論にもなっていません。果糖ブドウ糖液糖から糖を取りすぎている人は肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドロームになりやすいということが分かっています。

内臓脂肪型肥満の人は記憶を司る海馬の萎縮が見られることが多いです。

太りやすい人は食べ過ぎや運動不足が見られます。食事の栄養の偏りも太りやすくなります。ビタミンB群は糖をエネルギーに利用するのに必要なビタミンなのでビタミンB群が足りないと、血中に糖がたまり高血糖になり、脂肪として溜め込まれます。

内臓脂肪より恐ろしいのは「異所性脂肪」というもので肝臓、膵臓、筋肉内部に脂肪が溜まる状態です。隠れ肥満の状態です。そして筋肉が脂肪に置き換わってしまう状態がサルコペニア肥満です。痩せていると油断せずに筋肉をつけることは重要です。

栄養ドリンクの元気の源は砂糖水で血糖値があがることによって元気になった気分になるだけですぐにまた疲労が襲ってきます。

疲れた時に甘いものは脳に強い快感を与えます。精製された白砂糖は麻薬のような常習性があり、慢性化すると糖質依存に陥ります。そして高血糖から糖尿病になり、脳が破壊されていきます。

人工甘味料の甘味は砂糖の200倍以上もあるが、カロリーが少ないために体内に吸収されてもエネルギーにならなく、余計に脳が糖質を欲しがったり空腹感が増します。また腸内環境のバランスを崩して血糖値を下げにくくするという指摘もあります。

まとめ

糖の摂りすぎにより高血糖になり、エネルギー効率が悪くなって脳のエネルギー源である糖不足から神経細胞が死滅して認知症を発症するメカニズムが詳しく解説されて今まで不明だった認知症の原因の一つがわかってとてもためになります。脳を健康に保つには腸内環境を整えることがとても大事ということです。そして著者は脳でも糖尿病が起こっていると主張し、血糖コントロールすることが脳のためにもなるということです。糖尿病の予備軍は全人口の二割という報告なので若いうちから生活習慣を見直して糖尿病、認知症にならないように誰しもが気をつけなければならないです。

著者 熊谷 頼佳 脳神経外科医

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