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脳が老いない世界一シンプルな方法 久賀谷 亮 要約、あらすじ

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はじめに

脳の老化は止めることができます。何歳からでも大人の脳は成長します。これが最新の科学的研究結果です。Googleは老化研究のベンチャー「キャリコ」をたちあげました。Facebookのザッカーバーグ夫妻も寿命を伸ばす研究に年間400万ドルの賞金を用意しました。世界が「エイジング研究」に注目しています。人生100年時代が現実的になってきて世界でも平均寿命が大幅に伸びてきています。そのために元気な肉体は勿論、脳も長く使えるものであり続けなければなりません。脳の神経細胞は20代をピークに減少していき、脳の疲労からくる老化は30代のうちから始まっています。

エイジング研究で重要項目は長寿遺伝子「テロメア」です。染色体の両端を留めているキャップのような部分です。老化によってこのキャップが短くなっていきます。若さを保つにはテロメアを長いまま維持することが必要なのです。テロメアの長さを決めているのがテロメラーゼという酵素です。健康的な運動や食事、睡眠でテロメラーゼ酵素の分泌でテロメアの長さを保つことができます。そして今、瞑想、マインドフルネスがテロメラーゼ酵素分泌を促すことがわかってきました。その効果は

・初心者でもたったの2日間のマインドフルネスでテロメラーゼの活性が高まった
・8週間のマインドフルネスで大脳皮質の厚さが増した
・注意や感覚処理に関わる脳部位で老化による脳の萎縮にも効果があった
・記憶に関する脳部位の密度が増加した

瞑想を継続すれば大人の脳でも成長し続けることが出来ることが科学的に実証されています。

本書は老化の科学、マインドフルネス、脳の老化を通して脳が老いない世界一シンプルな方法を解説しています。

マインドフルネス呼吸法の効果
・脳の疲労を取り除く
・ストレス低減
・雑念の抑制
・集中力
・記憶力の向上
・感情のコントロール
・免疫機能の改善
1.椅子に座って目を閉じる
2.身体の感覚に意識を向ける
3.呼吸に注意を向ける
4.雑念が浮かんだら注意を呼吸に向ける
以上を毎日10分程度習慣として継続する

マインドフルインターバルの効果
運動は脳の萎縮にも効果
・記憶機能向上
・脳内老廃物の除去
・細胞老化を防ぐ
・アルツハイマー予防
1.有酸素運動を40分、3分走って3分休憩を4セットの2種類の運動を行う
2.ランニング、ウォーキングの途中に血流、呼吸に意識を集中する
3.ラジオ体操、ヨガ、気功などスローな運動を行う
入浴、歯磨き、化粧などの最中に身体の動きに意識を向けるのも効果的です。ウエイトトレーニングなどの筋肉増強はテロメアは伸びません。

マインドフル食事術
食べ物、食べ方を変える
・肥満防止
・過食抑制
・酸化ストレス除去
・テロメア伸長
1.食べ物の見た目、温度、匂い、味覚に意識を集中
2.食べたい、飲みたいの渇望感を意識する
3.全粒穀物、緑黄色野菜、ナッツ、豆類、鶏肉、ベリー、魚、ワイン、オリーブ油を取り入れる。チーズ、バター、揚げ物は避ける

皮膚の老化のメカニズム

皮膚の表皮細胞はそれ自体が分裂を繰り返して皮膚を新しく保っています。しかしその一部は本来の機能を失ったり、分裂をやめてしまう。これが細胞はセネッセンス(細胞老化)です。人間が呼吸で取り込んだ酸素は細胞が消費するのだがその際フリーラジカルという物質ができる。これがダメージを与えること(酸化ストレス)で細胞老化になります。これ以外にDNA障害、ミトコンドリアの機能不全、紫外線、化学物質などで細胞老化が起きます。この老化細胞はSASP(細胞老化関連分泌現象)という炎症物質を出して周囲の細胞の老化も促進してしまいます。

細胞が分裂できる回数は限界があり、ヘイフリック限界といい人間は50回位が限界です。サメやワニは限界がありません。限界を迎えた細胞は老化細胞になりしんでしまいます。細胞はこのように自分の命を絶つようにプログラムされています。(アポトーシス)

なぜ人間の細胞分泌の回数は同じなのに若い人と老けてる人の差は長寿遺伝子のテロメアの差です。脳細胞にもテロメアがあり、脳の老化とも直接繋がっています。その脳の老化は20代から始まっています。

脳の老化のメカニズム

脳神経細胞(ニューロン)と脳神経細胞の繋ぎ目(シナプス)に老廃物が溜まってくるその代表格がニューロン表面にあるタンパク質から生まれるアミロイドβです。この老廃物は睡眠などで除去されます。もう一つの老廃物はタウというタンパク質です。ニューロンが死んでしまうとタウがカスとして残ってしまいます。

脳の老廃物の蓄積が神経細胞の死を招き、脳の萎縮を引き起こします。

50歳の脳の重さと90歳の脳の重さは150gほど90歳の方が軽いです。加齢により脳細胞は死んでいきますが脳内の肝細胞は新たな細胞を生み出していますが、死んでいくスピードの方が早いので結果的に脳は萎縮して軽くなっていきます。

アミロイドβは外側の大脳皮質から内部の海馬へと増えていきます。
タウは海馬から脳全体に広がっていきます。

アルツハイマー病患者では側頭葉と頭頂葉、後帯状皮質そして後に前頭葉でアミロイドβの蓄積が観察されるが、より記憶機能と関連するのはタウの蓄積の方です。タウ蓄積の主なところは海馬とその周辺の側頭葉で海馬が担う近時記憶がダメージを受ける。より短い記憶である即時記憶には前頭葉や頭頂葉が使われているし、昔あったことに関する長期的な記憶の方は側頭葉や大脳皮質の色々な場所にストックされているから比較的保たれる。しかし病気の進行とともにタウの蓄積が側頭葉や頭頂葉そして大脳皮質全体に広がっていくにつれて脳の機能は全面的に崩壊していくことになります。

脳は歳をとっても成長していきますし、脳の機能の一部が損傷してもその機能を補うように別の部位が新たな回路を形成します。これを脳の可塑性といいます。

イェール大学の社会学者レヴィによるとエイジングにポジティブなイメージを持つ人は平均で7.5年ほど寿命が長いです。生活機能の低下も低いし、障害からの回復も早いです。要するにストレスはテロメアをぐっと縮めます。

2025年アルツハイマーは薬で治すことができます。一般的にはコリンエステラーゼ阻害薬を使ってアセチルコリンという脳内物質が減少していますが、これを分解する酵素の活性を下げれば脳内のアセチルコリンを増やすことができますが病気な進行を遅らせる事が精一杯ですが、日本の理化学研究所がネブリライシンを開発していて、これはアミロイドβを分解する薬で2025年に実用化です。

パラビオシスという方法は若者の血液を老年者に輸血する方法でスタンフォード大学で効果が科学的に証明されています。

再生医療による肝細胞移植も研究中です。

アルツハイマーになりやすい7つの要因

1.中年期の高血圧
2.中年期の肥満
3.糖尿病
4.体を動かさないこと
5.喫煙
6.うつ
7.教育水準の低さ

運動を続けたら脳の海馬が若返ります。週3回のウォーキングでテロメアの長さが2倍になります。テロメアを長く保つには最低7時間の睡眠が推奨されます。テロメアの長さは社会的な関係性にも左右されます。ボランティアをすることでテロメアが伸びます。よく笑う、社交的、幸せな人、楽観的な人はテロメアが長い傾向にあります。

瞑想がテロメアに好影響をもたらします。瞑想初心者でも6日後には脳内のアミロイドβが減少し、ウィルス感染への抵抗に関係する遺伝子に変化が生まれ、テロメラーゼの活性が高まった研究結果があります。瞑想はエビデンスつきで実証されています。

マインドフルネスは宗教色をカットして効能にフォーカスしています。Google式マインドフルネス研修のSIYが有名です。ジョンカバットジンが既存の瞑想をマインドフルネスとして方法化しました。瞑想によって大脳皮質の厚さが増して、左海馬、後帯状皮質、小脳で灰白質の密度が増加しました。

脳の回路を束ねるネットワークをデフォルトモードネットワークというものがあり、雑念を司る脳回路であり、雑念回路が活発だと脳は必要以上のエネルギーを使い、どんどん疲れていってしまいます。マインドフルネスは雑念にまみれた脳を鎮めてくれます。脳科学的にも瞑想は実証されています。雑念回路が活発なほどアミロイドβが蓄積してアルツハイマーを発症します。教育との関連は教育を受けた人の脳は雑念回路の活動が低下していて、教育が不十分な脳は雑念回路が活発なのでアルツハイマーのリスクが高まります。

よって瞑想は脳が老いない世界一シンプルな方法です。

死への恐怖は全ての不安、恐怖の根本であり、人間にとって究極のテーマです。老いの恐怖も根本は死への恐怖です。老いへの恐怖が老化の原因となり、寿命にも響きます。死への恐怖もそれと同じで恐れることで多くのエネルギーを消費し、消耗していきます。死への恐怖を取り除くことはある程度は可能です。それは人生が輝くためには終わりが必要であることを理解することです。死が生み出すのは見えない不安なのです。過去や未来にとらわれた日常から抜け出して、もっと死を見つめると死への恐怖は克服できます。「メメント・モリ(死を想え)」です。今この瞬間に自分は生きているという事実に目を向けて、この自分があるという不思議を何度も発見することが、死を見つめることなのです。死は直線的な時間の先にあるのでなく、今ここの裏側に絶えず可能性としてあるものです。「今ここ」に目を向けるマインドフルネスは死を忘れさせるどころか、ある意味死に向き合わせる。そうすることで死を受け入れさせ、不安を克服する助けになってくれます。

まとめ

物語り調で話が進んでいくのでマニュアルではなく読みやすいです。テーマはマインドフルネスなのですが脳の老化のメカニズムや瞑想の効果は勿論、アンチエイジングの最新情報や後半は老いへの哲学的考え方や死に対しての向き合い方などとても読み応えのある内容です。マインドフルネスという曖昧なものを科学的根拠をもとに解説しているので説得力がすばらいしです。過去を後悔したり、未来に不安になることで脳を酷使することにより脳の老化が進みます。それを緩和するのに瞑想をして心の整理をして、あるがままを受け入れる事が大事なのです。

著者 久賀谷 亮 医学博士 イェール大学医学部精神神経科卒業

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