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総力取材!トランプ政権と日本 NHK取材班 要約

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はじめに

本書は2016年11月5日に放送したNHKスペシャル「揺らぐアメリカはどこへ 混迷の大統領選」、そして大統領選直後の11月12日に放送した「トランプ大統領の衝撃」はそれを凝縮して結実させたドキュメンタリーです。そこで描き切れなかった事実とともに、2017年1月20日の新大統領就任を控えたその後の情勢も踏まえて、取材者の気づきや悩みを含めてこれからのトランプ政権の行方を分析し、解説した内容です。

第一章 トランプ政権はアメリカをどう変えるのか?

TPPについてはオバマ政権時、国務長官を務めていたヒラリークリントンが強引に推し進めたが、トランプ大統領はグローバル主義とは反対に自国の利益を優先するアメリカ第一主義を掲げた。

2017年1月20日の大統領就任初日に着手することとして、真っ先に貿易政策を挙げ、TPPの離脱を表明した。代わりにアメリカに雇用を取り戻し、産業を復活させる公平な「二国間協定」の交渉を進めるとした。

トランプ氏を大統領に押し上げたアメリカ製造業は1960年代以降のグローバル化、オートメーション化により衰退に向かい雇用が喪失し、全米の製造業の3分の一が失われた。こうした人々が、トランプ氏の反グローバリズムと自国の利益優先の方針を支持した。

選挙戦に発表したトランプ氏の超保護主義的な公約

NAFTAを再交渉、もしくは離脱。

TPPからの離脱

中国を為替操作国に認定

貿易相手国の不正を突き止め、止めさせる

アメリカの企業は外国に移転し、税金を払わずにアメリカに製品を逆輸入しようとする。そのために彼らが労働者を解雇するのを防ぐために関税を設ける。

以上全てはアメリカの労働者を守るため。

イギリスもEUからの離脱をし、経済の反グローバル化の波を勢いづかせた。

TPPに替わる選択肢はRCEPでアメリカは参加せず、逆にTPPに参加していない中国が加わっている。RCEPは中国に利益をもたらすもので、結果的にアメリカがTPPを離脱すれば中国を利する形になる。

経済学者は警鐘を鳴らす。経済のグローバル化が成功する秘訣は、他社の利益を自らの利益と認識すること。それを顧みないような、自国の利益のみを追求する保護主義が資本主義自体を崩壊に向かわせる。

トランプ氏は自国の利益を優先するため世界の警察も辞めようとする。アメリカ社会は長引くテロとの戦いで疲弊し、何兆円も失っている。まずは国内を立て直す方針です。

トランプ氏はアメリカの価値観を世界に広めることを望んでなく、世界とアメリカの関係をその場の利益に基づくものにすることを望んでいる。

これからはGゼロに進み、アメリカの関与が少なくなり、世界的なリーダーシップがなくなり、リーダーシップをとる国が不在になった国際秩序はどこにむかうのか?

トランプ現象はアメリカの最深部で起こっている変化が関係している。それは人口構成の変化で、かつては白人が多かったが、ヒスパニック系がどんどん増えてきた。今まで牽引してきた白人が焦燥感にかられるようになってきた。そして国境に壁を作りる不法移民対策が白人の心を掴んだ。

そしてトランプ氏は人種差別のパンドラの箱を開けてしまった。

トランプ氏の発言や言動が、アメリカ社会に差別的な発言が認められる雰囲気を作り、白人至上主義を助長した。

第二章 何がトランプ大統領を生み出したのか?

2016年の選挙ではアメリカの既存のメディアのほとんどがトランプの勝利を予想できなかった。トランプは既存のメディアだけでなく、Twitterを使って過激な発言で直接、支持者に訴えかけたのです。メディアはそれを後追いする形になりました。トランプ氏はさらに既存のメディアは既得権益側であり、信用できないと攻撃し、そうした訴えに反応した支持者たちは、徐々にメディアを敵視するようになった。

トランプ支持者が訴えたのは現状を変革してほしいということ。トランプが政治家でないことも逆に有利に働いた。これまでの政治ではダメなんだという怒りや失望です。

失業した白人中間層がドラッグに走り、薬物中毒者が3倍になった。このような人々にとってトランプの「雇用を取り戻す」という発言は響いたに違いない。

若者層も政治に関心が薄れてきている。社会では一部の特権階級だけが成功し、若い世代にはチャンスは回ってこない現状。半分の若者はアメリカンドリームを信じていないとしている。8年前にオバマが叫んだ「チェンジ」に期待したが、良くなるよりか悪くなる一方でした。

トランプ氏とともに勢いがあったのはバーニー・サンダースです。富が一部の富裕層に集まっていることで格差が生まれていることを批判して支持を集めた。それに加えて若者も多く支持した。若者がサンダースを支持した理由は、大学の授業料高騰があり、「最低賃金の引き上げと、公立大学の授業料無料」という公約が受け入れられた。トランプもサンダースも反特権階級を軸にしていました。

トランプ氏に注目させる作戦が「メキシコとの国境に壁を築く」というトランプ氏の代名詞である主張です。聴衆の反応を見てあえて目立つ発言をしたのです。

クリント氏はトランプ氏と比べて資金力は30倍、スタッフも10倍だったのに何故負けたのか。それは国務長官在任中に私用のメールアドレスを公務に使っていた問題です。謝罪するも説明と食い違う事実が出てきたり、最初はTPPを賛成していたが、TPPに反対するサンダースの人気を取り込もうとしてTPPに一転賛成したりして言うことがコロコロ変わり、信頼性が大きく損なわれた。そして健康問題、富裕層の代表という批判などがあり、若者を中心に反発を受けた。

得票数ではトランプ氏を上回ったが、あくまでも州ごとに争われる選挙人の数で負けた。

第三章 日米関係はどう変わるのか?

アメリカには19兆ドルもの借金があります。国内のインフラも老朽化がすすんでいますし、国内のことにお金をかけるべきだという声が多くなってきました。

それなら世界の安全をどう維持するのか?

同盟国にもっとお金を負担させようという方針です。

この主張はトランプ氏が41歳の時から変わらず言い続けてきたことです。

日本の防衛費はGDPの1%しかないのです。アメリカは3.6%です。

オバマ政権は米軍の縮小でISなどの敵を生まれさせてしまった失敗をバネに軍事力の増強を表明した。しかしそのためには予算が必要なので同盟国に肩代わりを求めるのです。

日本や韓国から米軍の撤退は考えられません。何故なら朝鮮半島の不安定さと、中国の台頭があるからです。

まとめ

トランプ政権と日本との関係は日本が経済的にも影響力がなくなっているので、大統領がトランプ氏になったからといって現実維持のままこれといった変化はありそうにない。トランプ氏は自国ファーストのためになにをすべきか。それは紛れもなく経済についてです。そのためには外交は経済的影響力がある中国に神経を使うところが多い。長く実業家として成功しているので、過激な発言のイメージがあるが、先を見据えて手を打つしたたかさが大統領戦を通してみるとよく分かる。オバマ大統領と比べると何かをする実行力は間違いなくあることが本書を通してみるとよく分かる。

著者 NHK取材班

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