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お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015知的人生設計のすすめ 橘玲 要約

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はじめに

本書はロバート・キヨサキの「金持ち父さん貧乏父さん」のベストセラーを受けて30万ものベストセラーになりました。「金持ち父さん」の方はアメリカの法人を前提としていますが、「黄金の羽根」は著者が「金持ち父さん」の疑問を踏まえて、現代の投資環境や資産運用に対する変化にも対応した形で改訂版として発刊しました。

0 「黄金の羽根」ができるまで

著者は出版業界の将来に不安を感じていました。それは、出版社と書店と取次の歪な流通の仕組み、及び出版業界の構造的な問題です。そして時が経つにつれ問題が顕在化してきたのです。

人生におけるあらゆる経済的な問題に対して、なぜそのような事態になるのかを理解したうえで、解決策を探し出すことを真剣に考えざるを得なくなりました。それは個人の努力で状況を改善することができるのです。

大切なのは人生を経済合理的に判断することです。ビジネスも資産運用も短期的には偶然にうまくいっても、長期的には経済合理的な選択がもっとも有利になるようにできています。そこで、サラリーマンを辞めて、税制上優遇されている自営業者か中小企業の経営者になれば、お金持ちになれるのです。サラリーマンがお金持ちになるのが難しい理由は、税金と社会保険料の負担が大きいためです。

Part1 人生を最適設計する資産運用の知識

お金持ちになる3つの方法

1.収入を増やす

2.支出を減らす

3.運用利回りを上げる

上の3つの方法を踏まえた資産形成のルール10項目

1.純利益の確保が重要

2.複利の資産運用では、わずかな利回りの違いが大きな差を生む

3.十分な元金がなければ運用しても意味がないが、金融市場についての知識は生きていくうえで必要なので、少額でも投資はすべきです。

4.収入を増やす確実な方法は働き手を増やすこと

5.他人への投資と自分への投資を天秤にかける

6.ハードルは高いがサラリーマンが金持ちになる方法は、

・収入を上げる

・ベンチャー企業で働いて自社株を購入したり、ストックオプションを取得する。

・今は日本ではコンプライアンスの徹底で消滅してしまいましたが、かつてはキックバックという悪しき習慣がありました。中国、東南アジア、中南米など多くの国では賄賂が未だに確実なお金持ちへの近道とされています。

7.確実に金持ちになる方法は支出を減らす

8.住宅コストと生命保険を見直す

9.投資にかかる手数料を考えない人は金持ちにはなれません。

10.サラリーマンを辞めて自営業になり、節税する。

10年〜20年前では生活コストを下げる目的で東南アジアへの移住など選択肢がありましたが、東南アジアの経済発展により日本との生活コストの差が縮まりつつあるので海外移住の選択肢は考えにくいです。

2.誰も知らない資産運用の常識

1.投資をしない

ここ10年〜20年の株や不動産の継続的な下落で投資家になんの利益ももたらさなかった。

2.バブル崩壊で日本人は豊かになった。

ここ10年〜20年給料は上がりもしなかったが、下がりもしなかった。国家は国債を大量増発し、その資金を公共事業などの形で国民に再分配したので、結果的に個人の資産に転移した。しかし、サービス残業やブラック企業の存在や労働人口の減少や派遣社員化など厳しい現実も多いです。

3.住宅ローンは大きなリスク

4.不動産を買ったら資産運用は終わり

5.長期投資が成功するとは限らない

経済規模は100年単位でみれば確実に拡大します。しかし、あなたが生きている間に長期投資から富が得られる保証はどこにもありません。アメリカでの投資理論は日本ではそのままあてはまるわけではありません。

6.本当の資産運用理論

現代ポートフォリオ理論の創始者としてハリー・マーコウィッツは1990年にノーベル経済学賞を受賞しました。それは、最も効率的なポートフォリオとは市場全体に投資することです。つまり、TOPIXやS&P500のような市場全体の動きに連動するインデックスファンドに投資することです。

その後、ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・トービンはインデックスファンドが最も効率的な投資ができることを数学的に完璧に証明しました。

7.経済学者の予測は当たらない

経済予測の不可能性は複雑系の科学によって説明されています。

2020年のコロナウイルスのように、突然の疫病により経済が落ち込むことは万人が予測できません。

8.適性株価は誰にもわからない

優良企業でも粉飾決算に手を染めていたりするので外部の人間は本当のことは分からない。

9.チャートで未来は予測できない

株式市場にはなんらの法則性も存在しない

10.短期投資はギャンブルです。

投資とは長期的に見れば、資本主義と市場経済の下で、企業の利益はインフレ率以上に拡大するという見通しのもと、資金を投じることを指す。短期投資がギャンブルな理由は、信用取引を使った短期売買となると、現物、信用、ロング、ショートに問わず、全ての株取引は投資ではなく、投機となる。

3.不動産の呪縛を解き放つ法則

・不動産の購入を検討しているなら一度、裁判所の競売物件閲覧コーナーを訪ねるべし。

・家を買うのは、株式に投資するのと同じです。賃料の発生しない不動産投資であり、リスク商品です。

・住宅ローンは株式の信用取引と同じです。

・30年後に手に入った家に価値はない。

・賃貸と持ち家ではどちらも優位性はない。しかし、賃貸は様々なリスクから完全に解放されています。

4.生命保険は損することに意味がある

保険は不幸の宝くじといわれるほど、当たることは病気や死亡になるということです。なので損する=病気や死亡にならないということです。

生命保険は扶養家族が多くて低所得者には優良な金融商品ですが、それ以外の人は殆どが損をします。

国民健康保険で十分です。日本の健康保険制度はきわめて手厚く、高額医療で治療費がかさんでも、患者の自己負担は一定額に抑えられるようになっています。

5.見えない「貧困化」が拡がっている

住宅ローン、税・社会保険、子供の学費・養育費を引けば残りはスズメの涙です。子育てを「コスト」と見なす考え方に抵抗を覚えますが、現実は子供のいる家庭といない家庭では生活水準に格差が生じています。限られた収入のなかでは全ての望みを叶えることはできないので、マイホーム、保険、子供、趣味・娯楽のどれかをあきらめるしかありません。私たちは人生の中の大きな買い物の意味を真剣に考える必要があります。

Part2 人生を最適設計するマイクロ法人の知識

6.国家に惜しみなく奪われる人々

国民年金の利回りは、日本人の平均寿命を考慮すると男性で年利1.48%、女性で年利2.44%で各種控除もありますから、現在の低金利から見ればかなり有利な金融商品です。

国民年金が加入者に得な仕組みになっているとしたら、年金財政の赤字の穴埋めはサラリーマンの厚生年金なのです。厚生年金の保険料の半額が会社負担になっているので、それを利用してサラリーマン個人が負担する半額の保険料を基準にすることで厚生年金の利回りを2倍にかさ上げしているのです。厚生年金は、男性に限れば現役世代のほぼ全員が払い損なのです。

サラリーマンの実質税負担率は3割です。一般のサラリーマンが生涯で得る収入の総額は3〜4億といわれていますが、このうちの3割が税・社会保証費なら1億を納めているのです。

公的年金や健康保険の財政が悪化すればするほど、構造的にサラリーマンは搾取されるのです。

7.個人と法人を使いこなす

法人の実効税率は約35%、個人の所得税は5〜45%の累進課税で地方税を含めた最低税率は15%、最高税率は55%です。中小企業のオーナー社長や法人成りした自営業者のように法人と個人に自由に所得を分配できれば同じ所得でも税率の差を利用して合法的に税額を減らすことができます。赤字法人を活用すればさらに税制上メリットがあります。

8.マイクロ法人で人生が変わる

個人が法人を利用して合法的に税コストを下げる4つの基本ルール

1.所得税の発生しない範囲で給与を決定する。

自分自身の給与を自由に決めることができます。報酬を所得控除の範囲に抑えることで、税コストを最適化することができます。

2.所得税の発生しない範囲で家族を雇用する

妻が専業主婦の場合、自分の会社に雇用することができ、所得税の発生する103万円以内に妻の年収を設定すれば、夫の給料+103万円を無税で法人所得から個人に転移できます。

3.生活費を法人の経費に振り替える

生活費の一部を法人の経費に転移できれば家計が楽になると同時に法人の税コストが下がります。

4.個人資産を法人名義で運用する

法人が赤字である場合は、資産運用に大きなメリットがあります。赤字法人は、利子や配当、有価証券の売却益に税金を払う必要がありません。

9.不可能を可能にする奇跡のファイナンス

10.税について知りたい本当のこと

税務署から修正申告を求められても脱税ということではありません。税務署の指導を受けて修正申告し、延滞税を支払ったとしても、罰則でもなんでもありません。本人が主観的に正しいと思っているものはすべて節税です。節税と脱税は説明責任の違いです。

裏金は自営業や法人では日常的に発生します。税金を払わなくてすむばかりか、自由に使えるので非常に魅力的です。

税務調査は徴税ビジネスなので収穫にならないところには調査は入りません。一方、ちょっと売り上げが大きかったり、黒字だったりすると、もっと絞る余地があるという税務署の習性は、広く知られています。

11.税務調査の裏と表

税務調査の内容

1.領収書のチェック

2.現金と預金残高の確認

3.個人名義の銀行口座の調査

4.決算期末を超えた会計処理

5.役員賞与や接待交際費の処理

6.在庫

これらの項目を中心に行われます。

税務署は、調査官に徴税ノルマを課しています。よって調査対象は費用対効果によって選ばれます。赤字の会社はどんだけ調べてもなんの成果も得られないので、多少怪しくても無視します。

相続税や不動産売却益など一過性の所得に対しては厳しい傾向があります。

Part3 人生を最適設計する働き方

人間が社会的存在である以上、ほとんどのストレスは人間関係から生じます。その中で一日における労働の割合が大半なのでサラリーマンの人生は会社に拘束されているので人間関係の苦しさの割合は大きいです。苦しさから抜け出すには、そういう環境をこちらから持たなければいいだけです。組織から自由になれば有意義な時間を手に入れることができます。人生は有限であり、私たちにとって大事なのはお金ではなく時間です。それを考えれば経済的独立によって得られる自由の価値はなにものにも換えられません。

まとめ

本書はお金持ちになれる知識を余す所なく解説しています。合理的に利益を獲得するには何よりも知識が大事、世の中の仕組みを知ることが大事だということが学ぶことができます。資産運用や人生設計についてとても丁寧です。税務署の裏事情や社会の既得権益の事情や人としての生き方、尊厳にまで斬り込んだ単なるお金持ちマニュアルではない素晴らしい内容です。

著者 橘玲 1959年生まれ 作家

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